本領域では、環世界の変化点(例: トラウマ体験)が特に明確であるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を研究の焦点としている。

研究チームはこれまでに医師の要望を受け、音のVRである立体音響刺激を生成しPTSD治療に貢献してきた。トラウマの状況を精細に知ることなく適切な立体音響刺激が作成できた背景には、視覚に比べて位置関係の解像度が低く、位置的なズレや音色の違いが認知の過程で許容される音知覚の曖昧性が重要であることが、善甫(音響/情報工学)、井野(臨床医学/医師)、坂口(脳科学/医師)のこれまでの研究から予想される。そして、近年の発展が目覚ましい仮想現実(Virtual Reality: VR)技術および生成AIを活用することで、環世界マニピュレーションが実現可能と着想された。

A01

環世界と音認知の曖昧性を活用したマニュピュレーションの方法論

A02

ヴァーチャルリアリティ・エクスポージャーを使ったPTSD治療の新展開

A03

睡眠中の音刺激による環世界マニピュレーション